八尾の伝統建築を守る「八匠」の一つ、紀棟工務店さんへ行ってきました。
=====
「仕事終わって家を引き渡したときに、
『あんたのところに頼んでよかったわ』と言われたときはやはりうれしいし、
きちっとやってよかったと思う。」
と話してくれたのは紀棟工務店の吉本雅己さん。
「じいちゃんが昭和25年頃から大工さんで、会社にしたのは平成5年から。
ずっと家業としてやっているけれど、小さいときは何とも思っていなかったね。」
でもなぜか入った学科は建築科だったそうで…。
「普通科よりも工業系の方がいいかなという理由でね。
家に戻らないといけないなと意識したのは、専門学校を出て、働き出したときから。
5年間は違う会社にいたけど、最初から修行の予定だったね。」
「親父に家を継げとかは一度も言われたことがない。
小さいときは工場が遊び場で、木の上やハンマーで遊んだり、
職人さんの車に乗って現場についていったりもしていた。
そういう環境のせいか、自然な流れだったのかもしれない。」
「未だに継いだという考えは持っていない。
親父がいるから、まかせておけば大丈夫だろうという甘えがあったりね。
まだまだだと思っている。」
時代の変化で大工さんの仕事のやり方も変わってきている。
例えば木材は大工さんが仕上げるのではなく、
ほとんどプレカット加工(パソコンに入力した通りに機械が全て加工)される場合が多い。
墨付けから作業することは少なくなり、
電動工具を使い、自分で釘を打つことも少なくなっているとか。
コスト面ではそうせざるえないそうだが、やはりさびしさもあるそうだ。
「やはり自分たちの手でやりたい思いはある。
木の反りなどを見て、どこを何に使えばいいか考えたりね。
その方が木を活かせるし、作り手の気持ちがこもった家になると思っている。
20年、30年後に家の直しを頼まれたときでも感慨深いよね。」
「今後の目標は『紀棟工務店の家』を提案すること。
他に負けない、紀棟工務店の家は他と違うねと言われるようなね。
あとはコスト面で難しいところもあるけれど、
全てうちの工場でやりたいと思っている。」
仕事へのこだわりは、応接室にかかる社訓にあらわれている。
「気づいたときからあった『誠意と創意』がうちの社訓。
誠心誠意、お客さんが喜んでくれる仕事するに尽きると思っている。
そのためにどんなことができるか考えながらね。
お客さんの『いいがになった』を聞くために仕事しとるようなものだから。
今のところ紹介や評判で仕事がまわっているけれど、
アフターメンテナンスにも行きたいと考えている。」
吉本さんは、八尾山田商工会青年部の副部長も務めている。
「他からいろんな人がたくさん来てくれるようなイベントを企画している。
盛り上がっていけば、
その中から八尾に住みたいなと思ってくれる人も出てきてくれるかもしれないし、
そのときに八尾の大工さんで選ばれる存在になっていかなればいけないね。」
淡々と語る吉本さんからは、
職人の出番が少なくなっている今の家づくりへの寂しさと、
それでも職人としてきちんとした仕事をしていく決意が感じられた。
家を建てるときは、職人がいる工務店の話も聞いてから考えたい。
↑吉本雅己さんの「ありがとう」
北陸三県ありがとうプロジェクト
http://oyabelocalmail.blog27.fc2.com/
【紹介】
TEL:076-455-2176
FAX:076-455-2265
http://www.kitoukoumuten.jp/
■越中八尾 やつおローカルかわら版
https://www.facebook.com/YatsuoKawaraban
0 件のコメント :
コメントを投稿