やつおローカルかわら版002「本物だけが生き残る」伊藤浩一郎

「高校出てから5〜6年間、板前をやっていた。
そのせいかどこで食べても美味しくない、
自分で作ったほうがうまいなど文句ばかり言っていた。
口だけの野郎になりたくなかったから、自分でやってみようと思った。」

焼き鳥屋を開いたキッカケを語ってくれたのは、
ミーティング酒場虎乃穴のマスター、伊藤浩一郎さん。


伊藤さんは、店には自分の腹に入ってくる、
気に入ったお客さんだけ来てくれたらいい、と言う。

「自分が嫌だと思うようなマナーの悪いやつに媚びたくない。
マナーの悪い客には帰れ!と言うよ。
そんなマニアックな店があってもいいと思う。
まだそんなにひどい人は来ていないから言ったことはないけど(笑)」


「焼き鳥屋なのに馬鹿丁寧にひざついて注文聞けばいいってものでもないし、
焼き鳥屋にふさわしい愛想の良さでね。」

気に入った人だけが来てくれて、かつ、商売として成り立たせる。
そのための努力は欠かさない。

「やろうと思ってからの2年間、
朝5〜6時までほぼ具体的な形になるまでお店の具体像を考えていた。

興奮して眠れなくて、ずっと考えていた。内装なども全部自分で考えた。

そんな才能もあるんですね、と驚く人もいるけど、
わくわくの想像を2年間もしたらできる。」

「料理もイマイチで、床がベトベトして、トイレが汚くて、
内装もセンスがなくて、マスターも愛想が悪い、そんな店行きたくないでしょ?
飲食店は和気あいあいだけでは続かない。

でも、全部ちゃんとやっていたら、ちゃんと生き残る。
料理がおいしいのは言うまでもない。
仕込み前に床やトイレも時間をかけて綺麗にして、
掲示物やメニューもどうしたら雰囲気がよくなるか常に考えている。」


やるべきことをちゃんとやっている本物が生き残る。
伊藤さんのメッセージはシンプルで厳しい。

だが、その言葉は自分にも向けられている。
作成途中の大型のメニュー看板を見せてくれた。


「少し見ただけで全部読みたくなって、食べてみたいと思うような看板は何か。
安っぽいホワイトボードに今日のおすすめが書いてあっても誰も読まないから、
何がいいかをずっと考えて、チョークアートにいきついた。独学での挑戦だよ。」

デザインに盛り込む予定の将来のビジョンも見せてくれた。
城とロボットが合体したような店。


「今の店は小さいから大きな城のような店にしたい。
店のカラーが緑だから某アニメの緑のロボットの要素も入ったものを妄想しているよ。」



お客さんからのリクエストから、メニューに入れたメニューもある。
「『こんなのない?』『こんなのテレビで見たから食べてみたいんだけど。』
と言われると作ってみる。焼き鳥屋の修行をしたわけではないから、
型にハマらず美味しいと自分が言えるものを提供していきたいね。」


気に入ったお客さんがいたら、
店が終わった後に近くのラーメンを食べに行くこともあるそう。

「焼き鳥屋やってるのにラーメン食べに行く、
そんなマスターがいることがこの店の最大の売りかな。
意外性があって楽しいじゃない。
料理だけでなく、シチュエーションを売っているのが飲食店だと思うからね。」



取材中にも焼き鳥屋になる前の職業の話がポンポン飛び出す。
その話目当てに、完成した大看板を見に、また行きたくなるお店。

ラーメンを食べに連れて行ってもらえるまで、
通いつめてみるのもおもしろいかもしれない。

↑伊藤さんのありがとう
北陸三県ありがとうプロジェクト
http://oyabelocalmail.blog27.fc2.com/


【紹介】


ミーティング酒場 虎乃穴
※現在は店名変更されて「虎虎虎」です。
〒939-2303  富山県富山市八尾町大杉263-3
TEL:076-455-2269
営業時間 17:30~23:30
定休日:水曜
http://www.asahibeer.co.jp/area/search/shop.psp.html/93205454.htm

■越中八尾 やつおローカルかわら版
https://www.facebook.com/YatsuoKawaraban

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